文・写真 しみずことみ
所在地: 東京都八王子市堀之内
撮影日: 2025年11月
久しぶりに、堀之内寺沢里山公園を歩きました。
緩やかな尾根と谷戸が織りなす地形のなかに、龍生寺阿弥陀堂は静かに建っています。
その横に立つ宝篋印塔は、寛政八年(1796)に建立されたものと伝えられています。

長い歳月のあいだ、雨や風にさらされながらも、台座には寄進者の名が今も読み取れ、蓮弁の一枚一枚には、当時の石工の手仕事の痕跡がやわらかく残っていました。
地域の人々の祈りとともに、静かに時間を積み重ねてきた塔です。


塔の周囲の林は季節ごとに表情を変えます。
落ち葉が風に舞うこの時期は、逆に塔の存在がいっそう際立つように感じられました。
訪れるたびに、少しだけ違う光、違う風。
それでも、塔そのものは変わらず、昔と同じ姿のまま、ここに佇んでいます。
谷戸の静けさの中で、石が伝える時間に耳をすませると、この土地の歴史が、ゆっくりと立ち上がってくるようでした。

