冬の由木を歩く──「カワセミ熱」から始まった散歩
2025年1月20日に開催された定例会では、カワセミの生態や撮影方法について学び、メンバーの関心が大きく高まりました。カワセミの奇跡的なショットのプレゼントや、参加者同士の活発な意見交換が印象的だったこの会は、次回散歩のテーマや意識にも影響を与える大切な時間となりました。
そして迎えた1月27日、今回のぶら散歩は「長池公園〜せせらぎ緑道」。前回の熱気を受け、野鳥観察と地域の歴史を感じるコースを歩きました。

[写真解説]カワセミの生態や撮影方法について語るBIRDER KAWASEMI氏
まずは長池公園からスタート
散歩は長池公園の自然館から始まりました。ジオラマや展示を使って、この地域の地形や開発の歴史を解説。多摩ニュータウン開発以前の別所川の流れや、宅地造成の工夫など、普段は気付かない街の成り立ちを学びました。
外に出ると、冬の柔らかな光の下、野鳥の姿が次々と目に入ります。ヒヨドリやジョウビタキ、カワセミなどが訪れ、皆で写真を撮ったり、双眼鏡で観察したりしながらの散歩となりました。

[写真解説]自然館のジオラマを囲む参加者たち。ニュータウンの成り立ちに思いを馳せます。

[写真解説]木の枝で鳴くヒヨドリ

[写真解説]水辺でじっとするカモと、カワセミを探す参加者たち
せせらぎ緑道を歩く──都市計画と自然が調和する道
長池公園を後にし、せせらぎ緑道へ。ここは別所川を再現する形で整備された人工水路で、流れる水と豊かな緑が調和する心地よい散歩道です。
資料によると、緑道は盛り土によって消えた別所川の再生を意図して計画され、1993年の完成以来、多摩ニュータウンの中でも特徴的な景観を形成しています。

[写真解説]四谷見附橋(移設保存)を見上げる

[写真解説]造成によって再生された旧別所川と開発された住宅地を歩きます。
帰ってきた自然とふれあいながら
緑道の途中ではベンチで休憩しながら、再び野鳥観察を楽しみました。カワセミの姿を探す参加者や、水辺の野鳥たちをじっくり観察する姿が印象的です。

[写真解説]長池公園内の築池でカワセミを探す参加者たち。
また、道中では日本遺産にもなっている日枝神社に立ち寄る場面も。この地の歴史と自然、そして地域住民の暮らしが織り交ざる風景を五感で味わうひとときでした。

[写真解説]日枝神社の鳥居をくぐる一行
散歩を終えて
今回の散歩は、前回の定例会で高まった「カワセミ熱」と、せせらぎ緑道という舞台が結びついた、記憶に残るものとなりました。地域の歴史と都市計画の知恵に触れ、同時に身近な自然を慈しむ大切さも再認識できた1日となりました。

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次回予告
次回もまた、地域の歴史や自然、人との出会いをテーマに歩みを続けていきます。詳細は決まり次第、サイトやLINEにてお知らせしますので、どうぞお楽しみに!
参加方法・会場案内
「ぶら散歩」は、毎月第2月曜日に定例会を行っています。どなたでもお気軽にご参加ください。
開催日時 | 毎月第2月曜日 15:30〜17:00 |
会場 | 子育て広場「いずみ」 〒192-0364 東京都八王子市南大沢5-12 |
アクセス | 南大沢駅より徒歩12分 または 京王バス「だいり谷戸公園」下車 徒歩5分 |