由木の小さな歴史の痕跡を探しておさんぽ

地域のまつりと祈り

夜空に響く掛け声とともに — 大塚八幡神社例大祭 神輿還御の記録(夜編)| 東京都八王子市大塚

写真・文:しみずことみ
取材協力:大塚八幡神社

夕暮れ、再び祭りは盛り上がります

夕方、空は台風の雲を押しのけるように晴れ間を見せ始めました。昼間の雨が嘘のように、街の空気は穏やかさと期待感に包まれ、再び神輿の掛け声が力強く響き渡ります。沿道に集まる人々も、日が落ち始める頃には次第に増え、家々の前では拍手や声援が飛び交いました。

空が明るみを取り戻すと、祭りも再び熱気を帯びる
未来の担ぎ手をみんなで担ぐ

いつも以上に熱い担ぎ手たち

神輿は再び勢いを増し、担ぎ手たちは昼間の疲れを忘れたかのように力強く担ぎ続けました。特に印象的だったのは、地域内外から集まった講中の面々の結束でした。「ここが一番盛り上がるところだ!」という掛け声に合わせて神輿は高く差し上げられ、リズムよく揺らされます。その様子は昼間の静けさとは打って変わり、まさに祭りのクライマックスでした。

夜が近づくと、担ぎ手たちの熱気も最高潮に


笑顔と涙、地域を一つにする時間

和太鼓の周囲では、子どもたちが名残惜しそうに綱を引き続けていました。また、担ぎ手の中には感極まって涙ぐむ方もいらっしゃいました。祭りは単なる行事ではなく、地域の皆さんにとって「一年の節目」であり、「絆を確かめ合う場」であることを、改めて実感する瞬間でした。

夜の帳が下りる中、笑顔と涙が交錯します

神様のもとへ——還御のとき

夜、灯りに照らされるなか、神輿は無事に神社へと戻ってきました。還御(かんぎょ)の儀は、祭りの締めくくりにふさわしく、静かでありながらも荘厳な空気に包まれていました。

神輿を担ぐ手がそっと下ろされると、周囲には安堵と達成感が満ちあふれました。担ぎ手たちは互いの健闘を称え合い、深く一礼をして、この日を締めくくりました。


終わりではなく、次へ続く

祭りが終わると、担ぎ手たちは「来週からまた他の地域の秋祭りが始まる」と笑顔で語っていました。この祭りが特別なのは、地域を越えて人々が集い、支え合い、また別の地域へと応援に向かう、その「連なり」にこそあるのだと実感しました。
「また来年も、ここで会おう」。
そんな言葉が自然と交わされる中、大塚八幡神社の例大祭は静かに幕を閉じました。

また来年——祭りは静かに、そして確かに続いていく
大塚八幡神社総代・例大祭実行委員の皆様 お疲れ様でした!!

関係者の皆様、記録撮影・取材にご協力いただき、誠にありがとうございました。

写真・文:しみずことみ
取材協力:大塚八幡神社


【シリーズ記事】
2024年 大塚八幡神社例大祭 神輿巡行の記録記事一覧
[宵宮の記憶と赤く染まった空 — 大塚八幡神社例大祭 宵宮編]
[雨の中、力強く — 大塚八幡神社例大祭 神輿巡行(昼編)]
[夜空に響く掛け声とともに — 大塚八幡神社例大祭 神輿還御の記録(夜編)]

地域のまつりと祈り ── 受け継がれる風景と人々の営み もあわせてご覧ください。


▼あわせて読みたい

ー地域・講中を超えた関わり | 関戸熊野神社と大塚八幡神社
関戸熊野神社 — 小さな寄り道・由木を知る、地域の外のまなざし


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