由木の小さな歴史の痕跡を探しておさんぽ

谷戸と祈りをめぐる記録

永林寺薬師堂の石像群──道をゆく人を見守る祈りのかたち | 東京都八王子市下柚木

文・写真 しみずことみ


所在地: 東京都八王子市下柚木
撮影日: 2025年10月


静かに佇む石像たち

かつて村の辻や集落の境には、道祖神やお地蔵さまが祀られ、旅の安全を願う場所として大切にされてきました。
災いや病から人々を守り、行き交う者を見守る存在です。

時代の流れとともに土地が開発され、本来の場所から離れざるを得なかった石像たちは今、永林寺薬師堂のそばに寄り添うように並んでいます。
苔むした表面には、長い年月のあいだに重ねられた祈りが、そのまま刻み込まれているように見えました。

野猿街道の先、畑の向こうに

薬師堂は、野猿街道の向こう側に広がる畑の奥、少し高台になった場所にひっそりと建っています。
車の往来の音が届く距離でありながら、ここだけは時間がゆっくりと流れているようでした。

並ぶ石像の一つひとつは形も大きさも異なり、かつて祀られていた場所の記憶を今も静かに伝えています。
崩れた部分もありますが、それもまた、長い月日を経た祈りの証のようでした。

いまも変わらず、誰かを見守る場所

周囲の草木が風に揺れるなかで、ふと、この石像たちが今も変わらず、誰かの無事を祈り続けているのではないかと感じました。
地域の人々が手を合わせた名残りを辿りながら、ここに来るたびに、胸の奥が少し温かくなるような気がします。

土地が変わっても、祈りのかたちは静かに受け継がれていく――
そんな思いに包まれたひとときでした。

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