今年は、「気まぐれ史跡写真」というサイトが、本格的に動き出した年でした。
これまでは、由木を歩き、その場所の空気から感じたものを、写真として記録することが中心でした。
道を歩き、立ち止まり、光や気配に反応してシャッターを切る。
そうした行為そのものは、長く続いてきました。
けれど、撮り続けながらも、それをどう残していくのか、どう伝えていくのか。
答えのない問いを抱えたまま、足踏みをしていた時間もあったように思います。
そんな中で、ある日ふと、「記録」という言葉に辿り着きました。
特別な発見というより、これまでやってきたことを、あらためて言葉に置き直しただけなのかもしれません。
けれど、その一語によって、視界が少し開けた感覚がありました。
写真を撮ること。
文章を書くこと。
それらはすべて、「記録」という一本の線でつながっていたのだと、腑に落ちた瞬間でした。
停滞していた状況が、音を立てるわけでもなく、静かに動き出したのは、その頃だったと思います。
そこから、サイトを組み直す作業が始まりました。
記事の方向性ごとにシリーズを分け、これまでの取材で撮り溜めてきた写真やメモを、あらためて見返していきました。
それは整理というよりも、これまで歩いてきた道を、もう一度ゆっくり辿り直すような時間でした。
あのとき、なぜ足を止めたのか。
なぜ、この光景を残したかったのか。
写真一枚一枚に、当時の気配がよみがえってきます。
今年、そうした作業のなかから、いくつもの記事が形になりました。
神社やお堂、路傍の石仏。
祭りの準備や、人が集う場の空気。
歩く途中で出会った、小さな違和感や発見。
どの記事も、完成した瞬間に終わるものではなく、書き終えたあとも、ふとした拍子に思い返すものばかりです。
記録とは、過去を閉じ込めることではなく、時間を越えて、何度も立ち返るための入口なのかもしれません。
この一年、取材に応じてくださった方々、声をかけてくださった方々、そして、静かに記事を読んでくださっている皆さまに、心より感謝いたします。
このサイトは、一人で完結する場所ではなく、多くの出会いや関わりの中で、少しずつ形づくられてきました。
来年も、由木を歩き、記録を続けていきます。
まだ言葉になっていないもの、うまく掴めていない感覚も、きっと残っています。
それらも含めて、また歩きながら、考えていけたらと思います。
年の瀬にあたり、一年間ありがとうございました。
どうぞ、よいお年をお迎えください。
2025年12月31日
気まぐれ史跡写真
しみずことみ
