芦花公園駅の名前の由来となっている徳富蘆花。
その旧宅が蘆花恒春園内に保存・公開されている。
一見普通の古民家のように見えるが、写真中央にある白い細長い建物が渡り廊下となっており、3棟の家を繋いで使用していたとのこと。中には建物を購入後に移築したものもあったということだった。
茅屋
僕の家は出来てまだ十年位比較的新しいものだが、普請はお話にならぬ。其筈さ、先の家主なる者は素性知れぬ捨子で、赤子の時村に拾はれ、三つの時に人に貰はれ。二十いくつの時、養家から建てゝ貰った家だもの、其あとは近在の大工の妾が五年ばかり住んで居た。即ち妾宅さ。投げやり普請のあとが、大工のくせに一切手を入れなかったので、壁は落ち放題、床の下は吹通し、雨戸は反って、屋根藁は半腐り、些真剣に降ると黄色い雨が漏る。越してきたのは去年の此頃(註明治四十年二月末日指す)雲雀は鳴いて居たが、寒かったね。日が落ちると、一軒の茅屋目がけて、四方から押寄せて来る武蔵野の春寒、中々春寒料峭位の話ぢゃない。
国木田夫兄に與へて僕の近状を報ずる書「二十八人集」より
施設名 | 蘆花恒春園(ろかこうしゅんえん) |
所在地 | 世田谷区粕谷一丁目 |
開園日 | 常時開園 ※サービスセンター及び恒春園区域は年末年始は休業 |
開園時間 | 9:00~16:30(恒春園区域) 徳冨蘆花旧宅および蘆花記念館は16:00まで |
アクセス | ・京王線「芦花公園」または「八幡山」下車 徒歩15分 ・京王線「千歳烏山」、小田急線「千歳船橋」間のバス(京王バス)で「芦花恒春園」下車 徒歩7分 |
駐車場 | あり(有料) |
問合せ | 蘆花恒春園サービスセンター 〒157-0063 世田谷区粕谷1-20-1 TEL 03-3302-5016 |
園内マップ | 公式サイト内 |
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