由木の小さな歴史の痕跡を探しておさんぽ

由木を歩く──由木ぶら散歩の会の記録

第6回ぶら散歩|南大沢小学校周年記念展示見学─色鮮やかによみがえる開発前の風景と記憶 | 東京都八王子市南大沢

地元の歴史に触れる、特別なひととき

2024年11月11日、第6回ぶら散歩は「南大沢小学校周年記念展示」の見学を目的に開催されました。
南大沢の街が生まれる前の姿、そしてニュータウンとして開発されていく過程を、数多くの写真や資料を通じて振り返ります。

[写真解説]展示会場を訪れ、南大沢の歩みを記録した写真や資料を熱心に見入る参加者たち


開発前の風景を描いた絵地図と、生きた解説

会場では、田倉佐一さんによって描かれた昭和30年代の南大沢周辺の絵地図がひときわ目を引きました。
家々の配置や田畑、川筋などが色鮮やかかつ緻密に描かれており、今では失われた風景を思い描くための貴重な手がかりとなります。
この地図を前に、ぶら散歩のアドバイザーでもある佐藤さんが当時の体験を交えながら解説してくださいました。
「ここは昔、田んぼだったんですよ」「この坂では、子どもたちがよく遊んでいました」──そんな言葉が重なることで、地図は単なる図ではなく、人々の営みが息づく「記憶の風景」として立ち上がってきました。

[写真解説]当時の暮らしについて懐かしみながら話してくれる佐藤さん。絵地図が昭和30年代の南大沢へと誘います。

[写真解説]田倉さんが昭和37年頃の記憶を書き出した貴重な絵地図。当時を知る人は、描かれた家々の住民の顔まで思い浮かぶといいます。まさに、今とかつてを繋ぐ記録です。

[写真解説]田んぼや家並み、大田川源流まで緻密に描かれた絵地図。第5回ぶら散歩で訪れた小山内裏公園のサンクチュアリで見た大田川源流です。実際に歩いた現代の道と重なり、経験と資料が一致する喜びは大きな学びと、次の気づきに繋がります。


貴重な写真が語る南大沢ニュータウンの歩み

展示では、1985年(昭和60年)の開校当時の様子や造成中の荒々しい風景、そして1990年代以降の街並みの変遷が、写真によって丁寧に紹介されていました。
工事車両が並ぶ校庭、開校当初の入学式の様子、そして住宅街へと変わっていく姿──いずれも南大沢の歩みを映し出す貴重な記録です。
参加者たちは、写真を見ながら自分の記憶と重ね合わせ、あちらこちらで「ここは昔、こうだったんですね」「懐かしいですね」と盛んに言葉を交わしていました。

[写真解説]造成中の風景や第1回入学式の写真など、1985年当時の南大沢を伝える貴重な記録です。開発と共に発展する南大沢。新しい住区とコミュニティを形づくった人々の営みの記録を見ることができました。

[写真解説]かつての南大沢の丘陵地。重機が行き交う造成中の様子が広がります。現在の街並みしか知らない人にとっては、信じられない光景でもありますが「知る」ことで昔を「想う」ことができるところに、記録の大切さを感じます。

[写真解説]上は1980年、下は2022年。同じ場所の風景の劇的な変化を実感できる貴重な記録です。


「まちの記憶」を未来につなぐ

今回の見学では、地域の歴史や街の成り立ちを知るだけでなく、それを語り継いでいくことの大切さをあらためて感じる機会となりました。
住宅街として成熟した今の南大沢も、かつては自然豊かな田園風景が広がる土地でした。その記憶を次世代にどう伝えていくかは、私たち地域の担い手に託されています。

[写真解説]写真や資料を見ながら、当時を知る人々が思い出を語り合います。それぞれの持つ背景や世代が違っても、同じ記録を共有することで、様々な気づきに出会うことができます。


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【シリーズ】由木を歩く── 由木ぶら散歩の会の記録


次回予告

次回もまた、地域の歴史や自然、人との出会いをテーマに歩みを続けていきます。詳細は決まり次第、サイトやLINEにてお知らせしますので、どうぞお楽しみに!


参加方法・会場案内

「ぶら散歩」は、毎月第2月曜日に定例会を行っています。どなたでもお気軽にご参加ください。

開催日時毎月第2月曜日 15:30〜17:00
会場子育て広場「いずみ」
〒192-0364 東京都八王子市南大沢5-12
アクセス南大沢駅より徒歩12分 または 京王バス「だいり谷戸公園」下車 徒歩5分

お問い合わせ・申込先

高齢者あんしん相談センター南大沢(担当:青山)


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