由木の小さな歴史の痕跡を探しておさんぽ

小さな寄り道

住宅街にひっそりと残る舞台の記憶 | 東京都多摩市桜ヶ丘 金比羅宮

写真・文:しみずことみ

自転車でふらりと出かけたある日、少しだけ足を延ばして訪れたのは、住宅街の奥にひっそりと佇む金比羅宮でした。
どこまでが自分の「地域」なのかも分からないまま、ただ気の向くままにレンズを向けたあの頃の記憶とともに、この場所の静けさが今も心に残っています。

ふらりと寄り道した先で

2022年の秋。
地域を知るために走り回っていた私は、とにかく行ける場所は全部訪れてみようと、見知らぬ住宅街の中へ自転車を進めていました。
そんな時、偶然目に留まったのがこの金比羅宮です。

調べてみると、ここはスタジオジブリの映画『耳をすませば』の舞台のひとつ。
鳥居や石段など、どこか見覚えのある風景がいくつもありました。

とはいえ、映画の中とは少し様子が違っています。
かつては木々に囲まれ、昔ながらの神社らしい雰囲気だったのでしょう。
けれど現在では、鳥居の目の前まで住宅が迫り、神社全体が静かな住宅街の一角に収まっています。

それでも、映画の面影はふとした瞬間に感じられました。
隣には霞ヶ関保全緑地、反対側には「耳をすませば」のもうひとつの象徴的な場所、桜ヶ丘いろは坂が控えています。
この場所が今も残されているということ自体が、どこか特別なことのように思えました。

住宅に囲まれた静かな鳥居(2022.11.04 しみず撮影)
ひっそりとした参道の先に(2022.11.04 しみず撮影)
境内は今も地域の人に守られている(2022.11.04 しみず撮影)
控えめながらしっかりと祀られている(2022.11.04 しみず撮影)
境内の片隅にある小さな祠(2022.11.04 しみず撮影)

この場所は、今も昔も人とともに

訪れたときは、「由木」のことも、まだ深くは知りませんでした。
それでも、どこかで由木と唐木田、そしてこの桜ヶ丘が、山や谷を通じて緩やかに繋がっていることは感じていました。
この金比羅宮も、昔はもっと人と自然が交わる場所だったのかもしれません。 かつての面影を想像しながら、この場所を記録することで、少しだけ時間を巻き戻したような気持ちにもなりました。

写真・文:しみずことみ


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